近年、入居者の賃貸物件探しはポータルサイトの活用が主流です。
彼らは、ネットでめぼしい物件を大かた探した上で、実店舗を訪問します。
ところが、一般媒介物件などは、同一の物件を複数の仲介業者が掲載することになります。
そのため、入居希望者は、複数の業者から、訪問する店を選定することになります。
なるべく優良な店を探そうとするわけです。
彼らは決して多くの店を見て回ろうとはしません。極力最小限の店訪問で済ませたいと考える傾向があります。
昨今では、入居を決めるまでに平均で2店舗も回らないというデータがあります。
この傾向が意味するところは、
仲介業は熾烈な争いの渦中にあり、インターネット上でユーザー(入居希望者)を惹きつけられるかどうかで、ほとんど勝負が決まるということ
です。
言うなれば、店舗を訪問する前に、勝負は決まっている。
訪問するきっかけとなった物件を何らかの理由で見送ったとしても、その店舗で他の物件に決める傾向があるということです。
それを前提にしたとき、
インターネット上の根本的な戦略としては、自ずと優良な物件を一般媒介ではなく専任媒介で取り扱いたい
という思考に傾きます。
また、
この熾烈な戦いに疲弊し、相対的に安定収入が見込める管理を受託したい
と考えます。
ストックビジネスの側面が強い管理業の領域に手を伸ばす、あるいは強化することで、経営強化を図ろうとするのです。
それゆえ、昨今、仲介専業の会社の管理業への参入が活発になっています。
このような市場において、競合優位に立つためには、物件のオーナーに対して、いかに有効なマーケティング施策を打てるか、ということが重要となります。
これは、新規開拓しようとする会社、受託中のオーナーの囲い込みを必要とする会社、どちらにも言えることではないでしょうか。