【収益性の低い賃貸物件】を手放す管理会社が増えるーー。その裏の怖い影響とは?

低収益の管理契約を解消する

昨今、戦略的な管理会社の中には、

「収益性の低い物件」の管理委託契約を解消する会社

があります。

そして、各地域においてこの動きが少しずつ出ているようです。これはどういうことなのでしょうか。

賃貸住宅の管理業は、ストックビジネスとして考えれば、管理戸数が増えれば増えるほど、管理委託費が収入として入るわけですから、一見、比例して利益も増えるように捉えられがちです。

しかしながら、物件毎に分析すれば、一概にそうとは言えません。

単純に言えば、その物件を管理することによる売上に対し、管理する経費を抑えられなければ、利益は生じません。

管理物件の中には、その物件単体だけで見ると、売上に対し経費がかさ、まったく会社の利益に貢献していない物件がある場合があります。

さらに貢献していないどころか、利益を圧迫している物件さえあり得ます。つまり赤字の物件です。

ところが、これら収益性の低い物件は、日ごろから物件毎の収益性を数字で管理する習慣があったり、経営トップが意識的に俯瞰しない限り、判断がつかないケースが多いものです。

なぜなら、「利益」に貢献せず、時には足を引っ張ていても、「売上」自体には貢献しているわけです。

管理受託による売上と経費を、物件全体だけで数字を見ている限り、見つけ出すことは難しいでしょう。

ところで、管理物件の収益性が低くなる要因は、通常は二つのパターンか、その二つの掛け合わせのケースが多いといえます。

一つは、立地、築年数など物件自体の特性から生じる低収益性です。

例えば、自社拠点から著しく遠い物件は、スタッフの移動時間を鑑みると労働コストがかさみます。

古くてボロボロの物件は、入居者が決まるまで時間と手間が掛かることが多いでしょう。

一方、家主・オーナーに端を発する、人的理由により収益性の低い物件があります。

オーナーがしかるべき費用をスムーズには支払わなかったり、無理難題を押し付けようとする人物の場合、その対応に振り回されることで労働コストがかさみ、結果的に収益性の低い物件となります。

築古、設備が整っていないことが理由で、空室が多い物件があったとして、担当者がどんな提案をしても、家主、オーナーが耳を貸さず、空室率が埋まらないなどの物件は、上の二つを掛け合わせたケースといえます。

昨今不動産業界で成長するためには、不動産テック等の導入をはじめ、業務効率化は避けては通れません。

また、働き方改革など労働環境の整備、人材不足など社会的な課題への対応も必要です。

これらを鑑みた時、収益性の低い物件は手放すか収益性を高めるかの対策を講じ、管理会社としての生産性の向上を図ることは、企業としては賢明な取り組みではないでしょうか。

そして、このような取り組みを行っている賃貸管理会社は増えつつあります。

「全国賃貸住宅新聞」2020年1月13日号の「新春・記者座談会」においても、ある記者による次のような発言があります。

本社や営業拠点から遠かったり、築年数が古かったり、家主が空室対策のリフォームなどに非協力的だったりと、賃貸経営の状況改善が見込めない物件は、管理受託契約を解消するそうだ。こうした会社が全国でも散見できる。

また当社のお客様では、

収益性の低い管理物件を「切る」ということは、いったん表面的な売上減はあっても、リソースを適正な物件の管理、オーナー対応に集中できるようになるため、目論み通り以上の好循環をもたらしていますね。

と、その成果に鼻息が荒いのです。

さて、この傾向が、そのウラで示唆していることは何でしょうか。

実はこれは「その戦略的に生産性の向上を図る管理会社がある」という話で終わらないということです。

捨てる神あれば拾う神ありといえば、聞こえが良いですが、

収益性の低い物件が市場に放たれるということは、新たにその管理を受託する会社がある

ということを意味しているのです。

つまり、一方は生産性を向上させるために契約を解消し、もう一方は、新たに生産性を下げる物件の管理を受託してしまうということなのです。

確かに、自社においてこのような物件を取り扱い、利益を出すノウハウや仕組みがある事業者で、承知の上に受託するという道はあるでしょう。

しかしながら、そうでない限りは、収益性は低いが社内は疲弊し、疲弊しているから管理の質が落ちる・・・そんな悪循環を招きかねないのです。

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