賃貸住宅のオーナーの最近の傾向として、「自主管理」をするオーナーが増えて来たという声を耳にします。
不動産業界では久しく賃貸住宅のオーナーの60~65%は、管理会社に管理を委託していると言われて来ました。
実際、国土交通省が平成22年に実施した「民間賃貸住宅に関する市場環境実態調査」によれば、「契約も管理もすべて委託」していると回答したオーナーは65.2%となっています。
その後10年が経過していますが、この間、行政機関による同趣旨の実態調査は行われていないようなので、データを比較し傾向をみることはできません。
ただ、当社のお客様では、都市部、地方部に限らず各地域、「昨今自主管理する人が増えているようだ」という実感をお持ちの方が多いようです。
その理由としては、このような声を聞きます。
利回りが厳しい収益物件のオーナーが増えて来て、彼らは管理委託料も節約しないとやって行けないのですよ。
一方、付き合いのあるオーナーで「自主管理」をしている方々からは、このような声を聞きました。
セミナーや勉強会で「自主管理」の方法を学ぶ機会が増えているし、相談できる横の繋がりもあるしね。
委託していた管理会社に対する不満が溜まってね。どうしようかと色々調べているうちに「自主管理」も一つの選択肢かな、と。
いずれにしても、賃貸住宅のオーナーにとって、「管理会社に委託する」か、「自主管理をする」かは、多くが抱える選択肢です。
そして、この選択肢は、必ずしも賃貸経営を開始した時だけの問題ではありません。
「自主管理」から「委託」にスイッチしたオーナーは、
などの転換点があったと言う方が多いですし、
逆に「委託」していたが、「自主管理」にスイッチしたオーナーでは、
などが契機となっていることが多いようです。
特に、インターネットの発達は、賃貸経営に必要な情報の入手を劇的に容易にしました。
例えば、原状回復工事をする業者探し一つとってみても、以前は結構な手間が掛かりました。
そして探し出しても、工事内容は本当に適切かどうか、悪徳業者ではないかなど、不安がつきまとったものです。
もちろん、本当の意味においては、まだまだ「今でも」容易ではないのですが・・・
少なくとも表面上は簡単になったわけです。
いずれにしても、これらオーナーが管理形態をスイッチする「転換点」は、オーナー開拓のチャンスといえます。
また「すべての管理、契約を委託」していたオーナーも、「募集・契約」に関しては不動産会社に頼りたいケースがほとんどなわけです。
ここは、仲介専業の事業者様としては見逃せないところです。
また上の調査でも、一定数のオーナーは、「部分的に管理」を委託しています。
このようなことを一つ一つ詳しく考察し、言わば逆手に取ることにより、家主、オーナー開拓の戦略を立てられることができます。