「家主・オーナー向けニュースレター」は、ただ漫然と作成したり、自社の広告宣伝と混同したようなものを送付するのでは十分ではありません。
では、どのようなことを意識してコンテンツを作ったら良いのか、その本質的なところ、軸とするところなどについて、当社のネガティブな経験にも触れながら書いてみたいと思います。
多少なりともご参考にして頂ければ幸いです。
私たちの失敗
当社は、様々な会社のニュースレターを十数年に渡り研究してきました。
きっかけは、自分たちの生業のマーケティング施策としてです。
内容としては、肩肘を張って専門性の高い記事をいくつも書いていました。
今思えば、顧客にとって役に立つ記事を書こうということより、恥ずかしながら「私たちはレベルの高いプロですよ」ということを誇示する気持ちが勝っていたように思います。
「私たちは、こんなことも知っているんですよ」
「こんな難しいことを知っていますか?」
そんな情報を膨大な時間を費やして書いていました。
裏返せば、それは私たちがまだ駆け出しのペーペーであるための、虚勢に他なりませんでした。
新参者のコンプレックスの裏返しです。
結果は・・・・惨敗でした。
ほとんど効果らしい効果は得られませんでした。
当時は、既に取り引きのあるお客様と、見込み客に送付していたのですが、彼らと直接会って話してみるとそれは実感できました。
顧客が当社のニュースレターについてまったく話題にしないのです。
読んでくれているという気配さえ感じられません。
その後分かったことですが、閲読されているニュースレターというのは、顧客と対面した際に何らかの話題に上がるものです。
毎回ではないにせよ、全員からでないにせよ、何らかの反応を頂けるものです。
「読んでるよ、いつもありがとうね」と言われれば大変嬉しいですが、時には
「もう少し踏み込んで書かないと、何の役にも立たないよ」
「あの記事は、ちょっと君の理解が間違っているね」
などと、助言や苦言を頂くこともあります。
しかし、これらも反応であり話題に上がったといえるのです。
それが、まったく反応を得られないということは、まったく読まれていないということです。
読まれていないニュースレターが成果を上げるということはあり得ません。
私たちは落ち込み、心が折れました。
そして失意の中、ニュースレターの発行を中止しました。
如何ともしがたい徒労感が残りました。
しかし、同時にほっともしていました。
なぜなら、ニュースレターの作成には膨大な労力と時間を費やしていたからです。
労力と時間だけではありません。毎回記事のネタを探し回るという作業に神経をすり減らしていました。
一度やり始めたことは、やり続けないと顧客の信用を失う。
そんな強迫観念に駆られて作成していたようにも思います。
もはや肉体的にも精神的にも、本来の業務を圧迫していました。
いわば顧客を得てサービスを提供する前に、集客活動で疲れ果てているという本末転倒の状態です。
そこから解放されたのです。
少ない顧客と少ない見込み客に、読まれることのないニュースレターを送り続けるなんてムダ。
そう割り切ったのです。
ある税理士法人のニュースレター
しかし、ニュースレターをやめたからといって、お客様を獲得する活動は行わねばなりません。
様々な集まりに出かける、飲みにケーションを図る、セミナーを開く、紹介を依頼する・・・
見込み客と出会うために、顧客を繋ぎ留めておくために、結局のところ忙殺される毎日です。
さて、そんな日々を過ごしている時期に、知人の経営者から、ある税理士法人が発行しているニュースレターを見せられ、そこが主催しているセミナーに誘われました。
何でも、成長著しい税理士法人で、その所長が書いている手書きのニュースレターが人気だということです。
東京を中心に多くの中小企業を顧問先としている、今や大所帯の税理士法人です。
この「手書きのニュースレター」という特徴だけで、「あ、あそこか」とピンと来る方もいると思います。
その税理士法人のセミナーに知人に連れられセミナーに参加しました。
会場では所長と名刺交換をさせて頂きました。するとどうでしょうか。
毎月、ニュースレターが律儀に送られて来るではありませんか。
手書きでビッチリとB4の裏表に書かれたニュースレターです。
十数年前と言っても、既にビジネス文書はパソコンで打つのが当たり前の時代です。
それが、下手ではないけれど決して上手とも言えない「手書き」で、几帳面にすべて書いてあるのです。
そして、そのインパクトもさることながら、内容はさらに惹きつけられるものでした。
おそらくそんなに特別な情報が書かれているようには思いませんでした。
「取って置きのネタ」でもなければ、この所長からでないと得られない情報でもなければ、斬新な知見でもなかったはずです。
ただ、それらが丁寧に、優しく、分かり易く書かれていています。また、記事で取り扱うタイミングも絶妙です。
何よりも、「文面が醸し出す距離感」とでも言うのでしょうか。
そのニュースレターが、私自身を気遣って書いてくれた、まるで兄貴分からの手紙のように仕上がっているのです。
私は、「これだ!」と思いました。
もちろん、人気のある税理士法人は、そもそも「腕の良い」先生であるのでしょう。
しかし、良い先生だから黙っていてもクライアントが付くのかといえば、そうではありません。
なぜなら、その先生に顧問になってもらったことがなければ、その腕の良さ、仕事ぶりは分からないのです。
「この商品の良さは、一度使ってみれば分かります」
という触れ込みの商品が抱える苦しさに似ています。
「一度使ってみれば分かる」ということは、一度も使わなければ、その良さは分かりません。
良さが分からないので、結局は使われないのです。
しかし、その所長からのニュースレターからは、腕の良い税理士先生なんだろうな、ということが伝わりました。
決して直接的なアピール文が散りばめられているわけではありません。
むしろ、宣伝文句は皆無に等しいのです。
それなのに、毎月毎月読んでいるうちに、一度しか会っていない方にも関わらず、何だか頼ってみたい気持ちにじわじわとさせられるのです。
いや、毎月ニュースレターを読むことにより、毎月お会いしてお話を伺っているような気にさせられました。
これが、当社がニュースレターを研究し始めるきっかけです。
ニュースレターのコンテンツは、どう作ったら良いのか?
もちろん、施策としてのニュースレターは、当社でも取り組んでいたくらいですから知ってはいました。
どのような業種のどのようなターゲットに送付することが効果的かなどは、当たり前のように知識としては持っていました。
しかし、そのコンテンツの作り方に関しては無知も甚だしかったのです。
ニュースレターはコンテンツが肝心要です。
決してマスメディアや業界紙などの取り扱う記事に求められる「ニュース性」が必要なわけではありません。
ニュースレターは、あくまでもマーケティングツールです。
自社の「魅力」を伝えるツールです。
決して、自社のサービスや優位性を宣伝文句を並べて伝えるものではありません。
チラシやDM(ダイレクトメール)とは異なります。
ターゲットに寄り添い、役に立つと思われる情報、楽しんでもらえそうな話を届けるオウンドメディアです。
そうした姿勢を示すことで、自社の専門性はもとより、信頼性や親しみやすさを伝えるのです。
「営業マンは、商品ではなく『自分自身』を売れ」という言い方があります。
ひと昔前の古い表現と受け取られるかもしれませんが、購買における人の心理は変わっていないと思います。
顧客は、信頼できる相手、親しみのある相手、そしてその道のプロに依頼したいのです。
その意味でニュースレターを作る作業と言うのは、優秀な営業マンを生み出すことに似ています。
自分自身の分身を創るようなものなのです。
思えば、文章とは多かれ少なかれそういった側面があるのでしょう。
手紙にしても、メールやLINE、ツイッターにしても、一度書いて世に放った文章は、まるで自分の分身のように一人歩きをはじめ、閲読者の心に働きかけます。
そして、書いた本人に対し、時には利をもたらし、時には害を及ぼすこともあるのです。
その後、私たちはマーケティング・プランナーとして様々な顧客企業の集客をお手伝いする中で、より深くニュースレターを研究する機会に恵まれました。
不動産会社はもとより、卸売り業、運送業、飲食業、理美容業から、医療系やリフォーム業に至るまで、幅広い業種のニュースレターに関わり、各々、一定以上の効果を目にして来ました。
しかし、中でも抜群の効果を上げられたのは、不動産業それも賃貸管理、仲介業における家主・オーナーをターゲットにしたニュースレターだったのです。
詳しくは別の機会にしますが、ニュースレターの向き不向きは、その業種のターゲットの主な属性、商圏、単価、顧客生涯価値などによって決まります。
簡単に言えば、
は、その度合いが高ければ高いほど、マーケティング施策としてのニュースレターが効果的なのです。
先述した税理士法人などはまさにこれに適います。
その後のヒヤリングで、この先生の事務所ではほとんどの顧問先をニュースレターで開拓していると聞きました。
もちろん、セミナーや紹介促進など、送付先リストすなわち見込み客発掘のための仕掛けは、別で必要です。
賃貸管理、仲介業も同じことが言えるでしょう。
当社は、首都圏において不動産会社様のマーケティング施策の立案を請け負って参りました。
その一環として「家主・オーナー向けニュースレター」の作成もサポートしており、企画や構成を中心にお手伝いして参りました。
中には、足掛け6年ほどに渡り、制作代行という形で関わっているお客様もいらっしゃいます。
これらの大変有難い業務経験を通じ、学ばせて頂いたのはズバリ、
ということに尽きるかと思います。
事業者様の「魅力」が、家主・オーナーに伝われば、即ち成果につながります。
また逆説的ですが、「魅力」は伝えようとすればするほど磨かれます。
これらの学びや研究は、当サービス「賃貸ネタラボ」に携わっている現在も進行中です。
当社の顧客企業様からのフィードバックを受け、試行錯誤してコンテンツを作り、またフィードバックを頂く・・・
そんなことを繰り返しております。
一口に賃貸管理、仲介業といっても、事業者様の業容や業務領域、エリア、戦略、またターゲットとしている顧客(家主・オーナーの)層などにより、実情は様々です。
正直なところ、一概に「〇〇の法則」と声を大にして言い切れるほど、どの事業者様にも通用するコンテンツ作りを見い出せているわけではありません。
しかしながら、一方で当社の拙い試行錯誤から、ほんの少しずつでも見えて来たことがあるのも事実です。
そこで今回、その「見えて来たこと」の一端を整理し、
≪管理戸数、専任媒介数を増やしている会社の施策≫2021年版
という一つのレポートとしてまとめてみました。
各地域の当社のお客様の「家主・オーナー向けニュースレター」、また他業種のニュースレターを研究した結果、得られた一つの傾向であり、ノウハウといえます。
また、過去に当社代表がセミナー講師を務めた際の資料なども整理し、文脈の中で活用しております。
内容としましては、「賃貸ネタラボ・サービス」のフィードバック会員様による現場の声も交えながら、
など、8項目について48ページに渡りまとめております。
言うなれば「ノウハウ・レポート」です。
こちらは、残念ながら大人の事情で、インターネット上に公開することはできません。
賃貸住宅のオーナーをターゲットにした戦術として、「生々しい」というご指摘を受けたということも、別の理由としてはあります。
そこで今回は、賃貸管理および仲介に携わる事業者様で、当社「賃貸ネタラボ・サービス」の詳しい資料をご請求頂いた事業者様に限り、無料で進呈させて頂きます。
当社のサービスのご利用に関係なく、独自にニュースレターを作成される場合でも、十分ご参考になるレポートだと思います。
是非とも資料をご請求頂ければと思います。
ご請求は、↓ ↓ ↓ からお願いいたします。