賃貸住宅の家主・オーナーが管理会社に対し抱く「不満」と「要望」から、こんなところに集約できるかのではないかと書きました。
つまるところ、そもそもオーナーを満足させる管理とは、「入居付け」の強さと「対応」であるのだと。
ところが、このことを当社のお客様にすると、「入居付け」と「対応」に関しては、少なからず次のような反応を頂きます。
「入居付け」に強い業者が、オーナーの満足を得られる業者というのは当たり前じゃないですか。
物件の特性、オーナーのパーソナリティにより「入居付け」の難易度なんて変わります。
こちらが努力では及ばないところだってあるのです。そこがこの商売の厄介なところです。
「対応」の質を高めろと言ったって、家主、オーナーの認識違いや、見合った評価をしてくれないことが多いのも実情。
正直なところ、「そこまで求められても・・・」と思うケースは多々あります。
それに、オーナーの目に見えないところで、我々が汗水たらしていることも多いのです。
ところで、賃貸住宅の入居付けは、大まかに整理すると管理会社サイドの取り組みに依拠する部分と、物件の特性による部分があります。
管理会社が仲介会社に広く依頼したり、広告費のかけ具合等によって得られる反応は異なるでしょう。
また、一方で立地や築年数、設備や条件等は物件の特性といえます。
なるほど、確かに前者は管理会社サイドの努力如何といえますが、後者は物件そのものの問題であったり、オーナーの考え方次第でもあるので、管理会社の力の及ぶ範囲を超えてしまうケースも多々あるといえるでしょう。
しかし、物件の特性によるものだとしても、管理会社の努力によって入居付けの強化が図れる場合があることも、また事実です。
まさに、そこに戦略立案のポイントがあると考えます。
例えば、管理を託されている築古物件では、空室が増える一方であったとします。
担当者としては、空室を埋める施策として人気設備の導入か、あるいは長期スパンで考えればリノベーションが必要だと考えたとします。
それで、これをオーナーに提案したとします。
先方が提案を受け入れ、施策に取り組むことができれば、「入居付け」の強化は図れることになるのです。
これに対しオーナーに提案が拒絶され、築古物件そのものに何ら対策が講じられない場合はどうでしょうか。
「入居付け」の強化は図れません。
今までのとおり、「管理会社の努力だけでは、如何ともし難い」状態のままです。
つまり前者では、入居付けの強化が図れるという意味において、オーナーの満足度が向上したといえます。
一方後者では同じ「提案する」という会社としての努力にも関わらず、オーナーの満足度は向上しないということができます。
ということができるのです。
では、管理会社サイドの提案をオーナーが「受け入れる」か「受け入れない」かは、何によるのでしょうか。
担当者の力量や、提案書の出来栄え、家主、オーナーの物件に対するスタンスや、経済事情、はたまた本人の性格など、個々に挙げればいくらでもあるかもしれません。
しかし、最も重要なのは、管理会社と家主、オーナーとの信頼関係ではないでしょうか。
家主、オーナーと管理会社の間には、共通の利益を目的としたパートナーシップという関係を築き上げることではないでしょうか。
もちろん、お金はオーナーから管理会社へと支払われるという流れですから、あくまで「オーナー=お客様」という感覚が双方にあるかもしれません。
しかし、管理会社は、オーナーが利益を上げてはじめて成り立つビジネスですから、常にオーナーの利益の最大化に努めるパートナーなのです。
つまり、そのパートナーシップの関係がオーナーの理解と協力を引き出し、その理解と協力が入居付けの施策の成功につながり、
その成功が満足度を向上させ、管理会社とオーナーの信頼関係をより強固にする、
という好循環を作り上げるのです。
オーナーの満足度を向上させるためには、管理サイドだけの努力だけではなく、オーナーの理解と協力が必要だということです。
これは、入居付けに限らず「対応」についても同じです。
家主、オーナーとのパートナーシップであり、信頼関係が好循環のベースとなります。
この部分については別の機会で詳述しますが、管理会社の対応への不満は、オーナーサイドの「勘違い」や「誤解」、また「期待過剰」から生じているケースも少なくありません。
これらは掘り下げれば、管理会社とオーナーとの間に、信頼関係が希薄なことに起因していることが多いといえます。
こうして考えて行くと、賃貸住宅の家主・オーナーの管理会社に対する満足度を向上させるためには、
ということができます。